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渡辺 恭志*; 小澤 治*; 武内 伴照
電気学会誌, 138(8), p.529 - 534, 2018/08
放射線環境下でも使用可能な観察・通信機器開発の一環として、耐放射線性カメラの開発に取り組んでいる。本研究では、放射線によるカメラ画質劣化の主因であるイメージセンサ内の暗電流を抑制するため、イメージセンサの光電変換部近傍にフォトゲートを有する素子を試作し、線を照射して暗電流と光電変換感度を測定した。その結果、一般的なフォトダイオードを有する素子よりも、照射後における暗電流特性及び光電変換感度が優れていることが分かった。また、カメラ光学系に関して、石英を主体とするレンズ及びプリズムを試作し、耐放射線性が大幅に向上することが分かった。これらの成果から、遮蔽が不要な200kGy以上の耐放射線性を有するカメラの実現に目途を付けた。
渡辺 恭志*; 武内 伴照; 小沢 治*; 駒野目 裕久*; 赤堀 知行*; 土谷 邦彦
Proceedings of 2017 International Image Sensor Workshop (IISW 2017) (Internet), p.206 - 209, 2017/05
東京電力福島第一原子力発電所事故の経験や教訓を踏まえ、プラント状態の情報把握能力の向上のため、耐放射線性カメラの開発に取り組んだ。放射線環境下におけるカメラ画像劣化の主因である撮像素子内の暗電流を抑制するため、撮像素子の耐放射線性向上に取り組んだ。まず、既存の撮像素子としてフォトダイオード(PD)型、埋め込みPD型及びフィールドプレート付PD(FP-PD)型に対して線照射試験を行ったところ、照射後の暗電流はFP-PD型が最も小さく、耐放射線性に優れることが分かった。これに対し、さらなる耐放射線性の向上を目指し、暗電流源の一つである照射中における絶縁酸化膜中の正孔の発生を軽減し得ると考えられる埋め込みフォトゲート(PPG)型の撮像素子を開発した。照射前後の暗電流をFP-PD型と比較したところ、照射前及び照射後ともPPG型のほうが数分の一にまで暗電流を軽減されることが分かり、より耐放射線性の高い監視カメラ開発の可能性が示された